日本人の10人に1人が悩んでいると言われる「巻き爪」。
ある調査によると、約3割が「自分は巻き爪だ」と感じており、そのうち約3割が実際に痛みなどの症状を抱えているそうです。
近頃は子ども世代が巻き爪で悩むケースも多く、0歳で巻き爪になっている子もいるほどです。
足の爪は全身のパフォーマンスを支える大切な土台です。
「痛みがないから」と放置している爪も、実は様々な不調を引き起こす原因となることがあります。
今回は、足の「巻き爪」のメカニズムと今日からできる対策について解説します。
「巻き爪」は体からの大切なSOSサインです。特に年齢を重ねるにつれて悪化しやすく、痛みだけでなく、感染症や最悪の場合には歩行困難から寝たきりになるリスクもあります。
痛みがない場合も、決して軽視せずに対策をしましょう。
激しい痛みと炎症
歩くたびに爪が肉に食い込み、痛みや炎症が起こります。
化膿・感染症
食い込んだ部分から細菌が入り込み、赤く腫れて熱を持ったり、膿が出たりします。悪化すると、骨にまで感染が及ぶ「骨髄炎」になることも。
爪の変形・肥厚
慢性的な圧迫で、爪が厚く、硬く変形し、セルフケアも難しくなります。
爪周囲の肉芽形成
爪の刺激から体を守ろうとして、爪の脇に赤い肉の盛り上がり「肉芽(にくげ)」ができ、出血しやすくなります。
タコ・ウオノメ、筋肉痛や関節痛
足の指に力がかからず、他の場所に負担が集中することで、歩行困難になる可能性があります。
腰痛・肩こり
足元の不安定さが、骨盤の歪みや背骨のS字カーブの崩れを招き、慢性的な腰痛や肩こりの原因となることがあります。
転倒リスクの増大
巻き爪がある人は、転倒のリスクが約2.3倍に高まるとされており、高齢者は特に注意が必要です。
下記の内容に思い当たる方は、自覚症状はなくても、巻き爪予備軍かもしれません。
1. 間違った爪の切り方
深爪
爪を短く切りすぎると、指先の柔らかい肉が盛り上がり、爪の成長を
妨げます。さらに、爪の面積が小さくなることで地面からの力を
十分に受け止められず、結果として爪は肉に潜り込むように巻いて
しまいます。
バイアスカット
爪の角を大きく斜めに切り落とすこの方法は、一見理にかなっている
ように見えますが、かえって巻き爪を悪化させる原因となります。
※お子さんの爪を親御さんが切っている場合も要注意です。
ふだんの爪切りにより、お子さんが将来「巻き爪になるかどうか」を左右すると言っても過言ではありません。
2. 外部からの圧迫
先の細い革靴やハイヒールなど、足先にゆとりのない靴を履き続けると、爪は常に両側から圧迫され内側に曲がりやすくなります。
これが巻き爪だけでなく、「外反母趾」や「浮き指」といった足全体の変形にもつながります。
3. 足指の変形
「外反母趾」などで親指が「く」の字に曲がってしまうと、爪は地面だけでなく、隣の指からも横方向の圧力を受けます。
その結果、爪は正常な形を保てず、さらに複雑に巻いてしまうことがあります。
4. 爪を抑える力が足りない
爪の巻く力を抑える「地面からの圧力」が足りない場合もリスクは 高まります。痛みをかばって指を浮かせて歩く「浮き指」の人や 寝たきりなどで歩く機会が極端に少ない人は、爪がどんどん巻いて しまいます。
また、女性ホルモンが急激に減少する更年期以降は、爪のトラブルが 増えるため、特に注意が必要です。
1. 正しい爪切り「スクエアカット」
爪の先端が指先と同じか、1mmほど長めに残し、まっすぐ横に切りましょう。両端の角はヤスリで軽く丸める程度にし、切りすぎないことが大切です。
2. 正しい靴選び
購入は夕方に
一日で最も足がむくんでいる時間帯に合わせるのがおすすめ。
「捨て寸」の確認
靴を履き、かかとをトントンと合わせた状態で、つま先に指一本分の余裕があるか確認しましょう。
履き方
靴紐は履くたびに締め直し、かかとをしっかり固定することでつま先の圧迫を防ぎます。
3. 日常でできるケア
爪や足の保湿も忘れずに。乾燥は割れや巻きの原因になります。 ハンドクリームやネイルオイルでケアしましょう。
Q1 巻き爪は自然治癒しますか?
爪の先端が指先と同じか、1mmほど長めに残し、まっすぐ横に切りましょう。両端の角はヤスリで軽く丸める程度にし、切りすぎないことが大切です。
Q2 何科に受診すればいいですか?
「皮膚科」「形成外科」「整形外科」などで、巻き爪や陥入爪の治療を行っています。病院ごとに治療法が異なるので事前に問い合わせておくと安心です。
Q3 一度治療して治ったら、もう再発することはありませんか?
残念ながら、生活習慣を見直さなければ再発のリスクは十分にあります。
巻き爪の原因となる「足に合わない靴を履き続ける」「指を使わない歩き方をする」など、根本的な原因が改善されなければ、再び巻き爪になる可能性が高いです。治療後も、正しい爪切り(スクエアカット)や靴選びを継続し、再発を防ぎましょう。
Q4 巻き爪は遺伝しますか?
巻き爪そのものは遺伝しませんが、巻き爪になりやすい足や爪の形、骨格などの体質は遺伝することがあります。
Q5 フットネイルは、巻き爪の原因になりますか?
はい。特にジェルネイルは注意が必要です。
UVライトでジェルが硬化する際の圧力や、オフの時に使うアセトンによる爪の乾燥が巻き爪のリスクを高めることがあります。
長期間ジェルをつけっぱなしにするのも避けましょう。
「たかが巻き爪」と思わず、早めのケアと予防を心がけましょう。
正しい爪の切り方、靴選びを意識することで巻き爪は予防できます。年齢を重ねるほど進行が早くなり、悪化すると治療も長期化し、体への負担も大きくなります。
痛みがなくても、気になったら病院へ。
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