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vol.87

薬味は「健康サポーター」
としての名脇役

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まだ暑さの残るこの時期、そうめんやざるそば、冷奴などは食欲が 落ちている時でもさっぱりしているので食べる機会が多いのでは ないでしょうか?
皆さんは、薬味を入れていますか?
実は薬味は、味や見た目を引き立てるだけでなく、体にうれしい働きも 兼ね備えた“食べるサポーター”なのです。
ちなみに日本では江戸時代からうどんを食べるときに薬味として、 胡椒や大根が使われていました。

「薬味」の役割とは?

薬味はもともと、東洋医学で使われていた言葉です。
中国最古の薬物書では、薬には「五味(甘味・塩味・酸味・苦味・辛味)」が あるとされ、これらが健康に働きかけることから「薬味」と呼ばれるように なったと言われています。
日本では、料理の「味」や「見た目」を引き立てるだけでなく、健康面でも さまざまな効果が期待できる食材として「薬味」が発展してきました。
実際に「薬味」がどのような健康効果を持っているのか見ていきましょう。

薬味の4つの主な働き

薬味は日々の食生活を、次のような点でサポートしてくれます。

●食欲増進
 強い香りや辛みが脳を刺激し、胃腸の働きを活発にします。
 食欲が落ちやすい夏場にもぴったりです。

●臭み消し
 肉や魚の臭みを抑える作用があり、調理面でも活躍します。

●殺菌作用
 一部の薬味には抗菌・殺菌作用があり、夏場の食中毒予防にもつながります。

主な薬味とその効能

※ここでは代表的な有効成分と効能をご紹介します。
他にもさまざまな健康効果が期待されているので、ぜひ調べてみてください。

1. みょうが

有効成分:αピネン(香り成分)
主な効能:食欲増進・覚醒効果
     血行促進・発汗作用
有効成分:カリウム
主な効能:体内の水分バランスを調整、むくみを改善

💡食用に栽培しているのは日本のみ。
 薬味として楽しめる1日2~3個が目安。

2. しそ(大葉)

有効成分:β-カロテン(体内でビタミンAに変化)
主な効能:抗酸化作用により、老化や紫外線による肌への
     ダメージを軽減
     免疫力アップ

💡β-カロテンの他、ビタミン類、カルシウム、食物繊維、鉄など
 栄養成分は野菜の中でトップクラス!

3. しょうが

有効成分:ショウガオール、ジンゲロール
主な効能:血行促進による冷え性改善
     胃酸分泌を促進して消化不良の改善

💡胃への刺激が強いので食べ過ぎには注意。
 1日の摂取目安は10グラム(親指の第1関節くらいまで)です。

※「みょうが・しそ・しょうが」は“夏の三大薬味”と呼ばれています。
 スーパーなどで一年中手に入りますが、実は夏が旬の薬味野菜です。

4. ねぎ

有効成分:アリシン(白い部分に多く含まれる)
主な効能:消化機能を高め、血行を良くします
     疲労の原因物質である乳酸の分解にも関与

なお、アリシンはにんにくにも多く含まれています。

💡根に近いほど甘みが強く、縦に切ると辛みが抑えられます。
 使う部位や切り方で風味が変わります。

5. 大根おろし

有効成分:イソチオシアネート(すりおろすことで生成)
主な効能:殺菌作用による食中毒予防
有効成分:アミラーゼ(消化酵素の一種)
主な効能:胃腸の働きを助け、消化促進や食欲増進

💡アミラーゼやリパーゼなどの消化酵素やビタミンCを最大限に
 摂るためには皮ごとおろすのがおすすめ。

6. わさび

有効成分:アリルイソチオシアネート
主な効能:強力な殺菌効果による食中毒予防
     口内の雑菌を減らして、口臭予防

💡健康効果が期待できる適量は1日に5g(小さじ1杯)程度。  食べ過ぎは腹痛や下痢の原因にもなります。

7. 山椒

有効成分:サンショオール(辛み成分)
主な効能:血行を促進し、冷え性を和らげる
     神経痛、肩こりの緩和
     白髪予防に期待
有効成分:シトロネラール(香り成分)
     主な効能:鎮静、鎮痙作用と抗不安作用
     抗菌・消臭、虫除け効果

💡摂り過ぎると下痢や嘔吐のおそれがあります。
 一日あたりひとふり(0.2g)程度を目安としましょう。

8. 唐辛子

有効成分:カプサイシン
主な効能:体温を一時的に上昇させる
 冷え性改善、免疫力アップ

辛さを追求するなら一味唐辛子。
 風味や香りを足したいなら七味唐辛子。使い分けるのがおすすめです。

9. かつお節

有効成分:イノシン酸(旨味成分)
主な効能:消化を助ける効果
     エネルギーの代謝を促進
     集中力や記憶力の向上
有効成分:EPA(エイコサペンタエン酸)
主な効能:血液をサラサラにする
     中性脂肪を低下させる

💡かつお節は発酵食品。
 高たんぱくで体内で生成できない全9種類の必須アミノ酸が
 すべて含まれている優秀なサポート食材

10. ごま

有効成分:ゴマリグナン(セサミンなど)
主な効能:抗酸化作用による老化防止
     血管の健康維持と冷え性改善

💡ごまの外皮は固く、消化されにくいため「すりごま」にしたほうが
 栄養素を効率よく身体に吸収できます。

11. レモン

有効成分:ビタミンC クエン酸
主な効能:白血球の働きを助け、免疫力を高める
     美肌効果
     疲労の原因である「乳酸」を分解して、疲労回復

ほかにクエン酸が豊富な薬味としては梅干し、ビタミンCが豊富なものにはゆずも挙げられます。

💡皮にも栄養素が豊富。「白い内皮まで含めて生のまま食べる」のが、  最も健康効果の高い食べ方です。

まとめ

薬味は、料理の味や香りを引き立てるだけでなく、残暑による食欲不振、体調管理や健康維持にも役立ちます。
寒い季節には、鍋料理にもぴったり。
まさに一年中使える“健康のパートナー”といえる存在です。
ただし、薬味は刺激が強いものも多いため、過剰摂取は控えましょう。

ひと手間加えるだけで、健康と美味しさの両方を手に 入れられるのが薬味の魅力です。
あなたの食卓にも、薬味のパワーを賢く取り入れてみませんか?

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“京の柚子七味”

内容量 10g
賞味期限:約160日

※対象商品は毎号変わります。

画像:マスクをしている熊の人形
一般的に夏の「三大薬味」と呼ばれて いるのは、「大葉(しそ)」と「みょうが」、 もうひとつは何でしょう?
  • ① しょうが
  • ② 唐辛子
  • ③ ごま
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