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vol.83

隠れ肥満
「見た目は普通」が落とし穴

画像:はちみつ
画像:咳をしている女性

体重やBMIは標準なのに、体脂肪率が高い…。
もしかしたら、それは「サルコペニア肥満」かもしれません。
今回は、「サルコペニア肥満」とその危険性について解説し、 健康的な生活を送るための情報をお届けします。

メタボより怖い、
サルコペニア肥満が招くリスク

隠れ肥満は、別名「サルコペニア肥満」とも呼ばれ、 加齢や運動不足などによって筋肉量が減少することで体脂肪が 増加した状態を指します。一見すると普通の体型に見える方も 多いため、見過ごされがちですが、通常の肥満よりも以下の様な 健康リスクを引き起こす要因となります。

●生活習慣病のリスク増加
・糖尿病
・高血圧

●運動能力の低下
・体を支える力やバランス能力の低下
・転倒リスクの増加 寝たきりになる可能性も

現在では30歳以上の女性の10人に1人が「サルコペニア肥満」、 40代の男女の4人に1人は予備軍と言われています。 また、極端な食事制限、無理なダイエットなどによる筋肉量減少の 影響で、若い人にもサルコペニア肥満の予備軍が増えている傾向に あるようです。

さらに、サルコペニア肥満は、健康寿命を縮めるだけでなく、 生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があります。

サルコペニア肥満になりやすい人の特徴

サルコペニア肥満は、「運動不足」、「偏った食生活」が大きな要因と なります。次に当てはまる方は注意が必要です。

■運動不足
長時間のデスクワークといった現代社会ならではの環境は、筋肉量の 減少と体脂肪の増加を招きます。厚生労働省が発表した 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」においては、成人の 場合、家事などを含めた身体活動を1日60分以上、ウォーキングに 換算すると1日約8000歩以上、その内の週2~3回(計60分)を、 ストレッチや腕立て伏せなど筋トレを取り入れることが推奨されています。 座りっぱなしの時間が長くならないように注意し、適度な運動で、 筋肉量の維持・増加を目指しましょう。

■偏った食事
高カロリーで糖質・脂質の多い食品を頻繁に摂取したり、お菓子や 糖分の多い飲料を間食にしたり、夜はアルコールを飲むといった習慣は 肥満の大きな原因となります。また、筋肉を増やすためには、肉、魚、 卵、大豆製品などのタンパク質を積極的に摂取することが大切です。 バランスの取れた食事を心がけましょう。

チェックテスト

薬は、基本的に水またはぬるま湯で飲むのが原則です。
お茶、ジュース、牛乳などは、薬の効果を弱めたり、副作用を強めたり する可能性があります。

【指輪っかテスト】
左右の親指と親指、人差し指と人差し指をくっつけて輪を作り、 ふくらはぎの一番太い部分を軽く囲んでみましょう。隙間ができた 場合は、筋肉量が低下している場合があります。

画像:咳をしている女性

【握力】
握力テストでは、男性28kg未満、女性18kg未満が一つの目安と なります。また、ペットボトルの蓋を自力で開けられない、靴下を 片足立ちで履けないといった日常動作に支障を感じる場合も、 筋力低下のサインかもしれません

【歩行速度】
歩行速度も重要な指標です。健康な成人の平均歩行速度は 約1.2~1.4m/秒(4km前後/時)とされています。しかし、年齢、 性別、体調、筋力の違いにより個人差はありますが、歩行速度が 1m/秒(3.6km/時速)以下の場合、身体機能が低下している 可能性があります。横断歩道を青信号のうちに渡り切れないことが 頻繁にあると感じる場合は、筋力の低下を疑ってみましょう。

体重計でなく「体組成計」を!

サルコペニア肥満のチェックには、「体組成計」が非常に役立ちます。 見た目ではわかりにくいので、体重計だけでは見過ごしてしまう 可能性がありますが、体組成計は、体重だけでなく、体脂肪率、 筋肉量、内臓脂肪レベルなど、身体の様々なデータを測ることが できます。体の内側の状態を詳しく知ることで、サルコペニア肥満の リスクを早期に発見できます。

体脂肪率過剰と言われる体脂肪率の一般的な目安は、男性は 25%以上、女性は30%以上と言われています。もし、体脂肪率が高く、 筋肉量が少ないという結果が出たら、食生活の見直しや運動習慣の 改善を始めるきっかけにしましょう。体組成計は、自分の体の 状態を知り、健康的な体づくりをサポートしてくれる、頼もしい アイテムです。毎日の健康管理に、ぜひ活用してみてください。

「立つだけ」で変わる!

画像:咳をしている女性

世界的に見ても、日本人は特に座っている時間が長い傾向にあると 言われています。長時間座り続けることは、消費カロリーを 低下させるだけでなく、肥満のリスクを高める要因にもなります。 実際、座っている時間を立つ時間に置き換えるだけで、 消費カロリーは約1.3倍になると言われています。 さらに、近年の研究では、座りすぎは肥満だけでなく、 高血圧や糖尿病、がんなど、様々な疾患のリスクを上昇させることも 明らかになっています。

まずは、1日1時間を目標に、立つ時間を増やしてみることから 始めてみませんか? 例えば、通勤時に一駅分歩く、休憩時間に 軽いストレッチをする、テレビを見るときは立って見るなど、 日常生活の中で少しずつ工夫することで、座りすぎによる健康リスクを 軽減することができます。

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今回は
“人・場・組織を回す力”

楠本和矢 著

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※対象書籍は毎号変わります。

画像:マスクをしている熊の人形
隠れ肥満(サルコペニア肥満)の
「サルコペニア」を意味するものは、
次のうちどれ?
  • ① 国の名前
  • ② 筋肉減少の意味を示す言葉
  • ③ ホルモンの名前
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