腰痛発症から症状を
５年間追跡してみると…

長今回の研究は、2004年9月から2006年4月までに腰痛の発症が原因でイギリスにあるクリニックを受診した18歳から60歳の患者の追加調査です。

5年後の時点で痛みはどうなっている？

5年にわたる追跡調査とその後最低3ヶ月の追加調査の結果、4つの腰痛の経過パターンがあることが明らかになりました。
①痛みが全く無いまたは時々弱い痛みがある（28％）
②継続して弱い痛みがある（47％）
③継続して強い痛みがある（21％）
④痛みの強さが変化する（4％）

5年後の痛みを予測できる要因とは？

さらに今回の研究では、5年後③や④のパターンになりやすい人の初診時における特徴も明らかにしました。

■ 社会的地位が低かった
■ 普段感じる痛みが強かった
■ 痛みによって将来深刻なことが起きるのではないかと考えていた ■ 感情表現が少なかった
■ 痛みが長引くだろうなという感覚があった
■ 痛みに対して自分でコントロールできるという意識が欠如していた
■ 受け身の対処（活動をしない、休んでいる）をしていた

気持ちの持ちようと日々の活動で未来の痛みは変化する！！

今回の結果のように、「痛みが長引くだろうな」と思っている人であったり、日々の生活において、活動を制限したり、まったく活動をしなくなってしまう人ほど、 その後の痛みが強いという結果が見られました。

腰痛で不安になっても、自分で必要以上に活動を制限せず、医師や医療従事者と相談した上で、 日々の適切な活動を確保しましょう。さらに、痛みがあってもマイナスに捉えすぎないことも、 その後の腰痛の回復においては重要です。これらを意識しながら日々の生活を過ごすようにしましょう。
回復過程の中で痛みとのつきあい方を知るということがとても重要な要素なのです。

気持ちの持ちようと日々の活動で未来の痛みは変化する！！

慢性腰痛持ちの方は腰痛の無い人と比べると、左右どちらかに偏っている姿勢を取りがちだという傾向が見られました。
さらに、腰痛の無い人は頻繁に姿勢を変えていることがわかっています。 1時間の中で10分ごとの姿勢変化を見たところ、腰痛の無い人の方が頻繁に姿勢を変えていました。
つまり、左右対称に座り、こまめに姿勢を変化させることが慢性腰痛の予防につながります。
是非、日常生活の中に取り入れてみてください。 次号では、腰痛改善の方法についてご紹介します。お楽しみに。

『たった30秒でできる腰痛対策』byライザップ