風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症だけが咳の原因では ありません。夜中に急に咳き込んで眠れない、季節の変わり目に 咳が止まらない、そんな経験はありませんか? 実は、アレルギー、ストレス、乾燥など、さまざまな理由で咳が 出ることがあります。
長引く咳に悩んでいる方はもちろん、「いつものこと」と軽く 考えている方も、この機会に咳の原因について見つめ直してみませんか?
咳の種類(仕方)
①湿性咳嗽(しっせいがいそう)…「ゴホゴホ」といった痰が絡む湿った咳。
②乾性咳嗽(かんせいがいそう)…「コンコン・ケンケン」といった痰が絡まない乾いた咳。
咳の種類(持続期間別)
①急性咳嗽(きゅうせいがいそう)…咳の持続期間が3週間未満。
風邪やインフルエンザなどウイルス感染症による咳がほとんどです。
ただし3週間以内であっても、他の病気の可能性もあるので、注意が必要です。
②遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)…咳の持続期間が3週間以上8週間未満。マイコプラズマ肺炎、百日咳、肺炎クラミジアなどの可能性があります。
③慢性咳嗽(まんせいがいそう)…咳の持続期間が8週間以上続く。
原因として多い病気は咳喘息、アトピー咳嗽、胃食道逆流症、慢性気管支炎などです。
咳が長期間続くほど、感染が原因の咳ではない場合が多くなります。
長引く咳は、身体からの重要なサインです。「そのうち治るだろう」と
自己判断をして、安易に考えず、速やかに医療機関を受診し、
専門医の診断を受けるようにしましょう。
咳における男女差
ホルモンバランス、気道の構造、そして刺激に対する感受性の違いなど、 さまざま要因が複雑に絡み合い、女性の方が咳に関連する病気に かかりやすい傾向があると考えられています。
女性ホルモンの変動は呼吸器に影響を与えやすく、月経周期や妊娠に よって咳やぜんそくの症状が悪化することがあります。 また、女性は男性に比べて気道が細く、刺激に敏感なため、 咳が出やすいとも言われています。
ストレスが引き金に!咳が止まらない理由
咳の原因として、風邪やアレルギーなどを思い浮かべる方は多いのでは ないでしょうか。しかし、意外に知られていないのが、ストレスが 引き金となる咳です。埃やウイルスなどを排出しようとする生理的な 反応である「咳」が、なぜストレスによって引き起こされるのでしょうか。
それは、「心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)」と呼ばれる状態が 関係しています。ストレスが高まると、自律神経のバランスが乱れ、 呼吸器にも影響を及ぼします。
ぜんそくは子どもだけの病気じゃない!大人にも潜むリスク
ぜんそくと聞くと、子どもの病気というイメージを持つ方もいるかも しれません。しかし、実際には大人になってからぜんそくを 発症する方も少なくありません。
小児ぜんそくの多くは、ダニやハウスダストなどのアレルゲンが きっかけで気道に炎症が起こりますが、大人のぜんそくは、 アレルゲンが特定できない非アレルギー性のものが多く見られます。
子どもの頃にぜんそくだった方が大人になって再発するケースも あります。そのため、咳が長引く、息苦しいなどの症状がある場合は、 年齢に関わらず、専門医に相談することが大切です。
咳を和らげるためには、日々の生活に取り入れられる工夫がいくつか あります。例えば、たばこや刺激物は、喉の粘膜を傷つけ、咳を悪化 させるため控えましょう。そして、こまめな水分補給は重要ですが、 冷たい飲み物は気道を刺激するので控え、温かい飲み物を選びましょう。
コーヒー等に含まれる「カフェイン」は、気管支を拡張する効果があり、 咳を抑えます。ただし、ぜんそく薬とカフェインの相性が悪い場合が ありますので注意が必要です。
炭酸飲料、アルコール、柑橘系のジュースも喉への刺激となります。 特にアルコールは利尿作用により喉の乾燥を招きます。 また、ウーロン茶は喉の必要な油分を奪う可能性があるので控えましょう。
また、はちみつが喉に良いとよく言われており、実際に有効だという 研究結果があります。スプーン1杯のはちみつをなめたり、 飲み物に溶かしてゆっくり飲んだりすることもおすすめです。 ※ハチミツおよびハチミツを含む食品は、1 歳未満の乳児には与えないで下さい。
室内の湿度も重要です。乾燥した空気は気道を刺激し、 咳を悪化させるため、加湿器などを利用して適切な 湿度(40~60%程度)を保ちましょう。
マスクをすることで、自分の咳による飛沫が周囲に広がるのを 防ぐと同時に、乾燥から気道を保護する効果が期待できます。 特に、外出時や人ごみの中では、マスクを着用することをおすすめします。
就寝時のマスク着用は、喉の乾燥を防ぎ咳の緩和につながる 可能性があります。さらに水分を含んだマスクは、より喉の潤いを 保つ効果が期待できるため、就寝時の乾燥対策として有効でしょう。 一方でマスクの圧迫感により睡眠の質を低下させる可能性があります。 子どもや高齢者は特に注意し、通気性の良い素材を選ぶようにしましょう。
ただし、マスクはあくまで咳を緩和するための補助的な手段であり、 根本的な解決にはなりません。咳が長引く場合は、医療機関を受診し、 適切な治療を受けるようにしましょう。
咳が出始めると、「またか…」と少しばかりうんざりしてしまうかも しれません。しかし、その咳が、体からの大切なメッセージである 可能性も忘れないでください。
※クイズの解答の際に、メールアドレスのご入力が必要です。
※けんぽのメルマガの配信されているアドレスをご入力ください。
※メルマガ配信対象外のメールアドレスでの解答をされた場合は無効となります。
※クイズの解答はおひとり1回となります。複数行われた方は一番早い解答を対象といたします。
※博報堂健保加入者以外の方が応募された場合は無効となります。