朝起きたらまず「うがい」をしましょう。
口の中の細菌は就寝中に最も増えます。もしそれを起きてすぐに朝食やコーヒーと一緒に
飲み込んでしまったら…その前にストップ!!
今回は、正しいうがいの方法と、うがいに関するトリビアをご紹介します。
私たちの口の中には、「善玉菌」・「悪玉菌」・「日和見菌(悪玉菌が優勢のときは悪い働きを
して、善玉菌が優勢のときは良い働きをする)」等、さまざまな細菌が住んでいます。
健康な口腔内には、善玉菌と悪玉菌がバランスよく共存していることが理想ですが、
日常生活の中でそのバランスが崩れてしまうことがあります。
特に注意したいのが、寝起きの口の中です。就寝中、唾液の分泌が減少することや口を
開けてしまうことによって、口腔内は乾燥状態になります。この乾燥した環境は、細菌が
繁殖するのに最適です。朝起きたときに「口の中がねばねばしている」、
「口臭が強くなっている」と感じるのはそのためです。
実際に、起床時の口腔内の細菌は、うんち10g分とも言われるほどの量が存在すると言われて います。朝食と一緒に菌を腸内に入れてしまうと、腸内フローラに悪影響を及ぼすことになるため、 その前の「うがい」が重要なのです。
口の中の細菌が増えることで、虫歯や歯周病のリスクも高まります。 虫歯菌は、糖分から酸を産生し、歯のエナメル質を侵食します。歯周病を引き起こす細菌は さらに危険で、歯茎の炎症を引き起こし、歯茎や顎の骨にまで影響を及ぼすことがあります。 さらには、血管を通って全身に毒性物質が回ることで、糖尿病・肺炎・動脈硬化などを 誘発する可能性もあります。
このように、口腔内の細菌管理は非常に重要です。うがいは、口腔内の細菌を減らし、 口臭を軽減する手段としても有効です。風邪予防にも効果のある「うがい」を日常的な習慣と して取り入れ、健康な口腔環境を維持することで、全身の健康を守ることにもつながるでしょう。 小さな習慣が、大きな健康効果をもたらすのです。
正しいうがいの仕方のご紹介
①コップに水を用意して
(水道水でOK)
②口に半分ぐらい、水を含み
(多すぎず、少なすぎず適量で)
③正面を向いたまま「ブクブク」と
(口の中の食べかすを浮かせて吐き出す)
④もう一度、口に水を含み
⑤顔を上に向けて「ガラガラ」と
(「あー」や「うー」と声を出しながら)
⑥「ガラガラ」うがいは2~3回
引用:日本赤十字社
実はうがいは口だけでなく、鼻から行うことでも大きな効果を発揮します。 鼻うがいは、鼻の奥まで洗浄液を行き渡らせることで、付着したウイルスや細菌、花粉、 ほこりなどの異物を物理的に洗い流します。まるで鼻の奥をシャワーで洗い流すような イメージです。風邪、アレルギー性鼻炎、鼻づまりなどの対策に効果があることが期待されます。 春や秋の花粉シーズンに、鼻うがいを試してみてはいかがでしょうか?
■トリビア その1 起床時以外のうがいのタイミングは?
うがいを行うタイミングとしては、食事前や帰宅後など、さまざまあります。食前にうがいをする ことで、食欲増進や、口の中を潤すので味覚をアップさせる効果もあります。また、帰宅後に うがいをすることで、外から持ち帰ったウイルスを除去することができるでしょう。
■トリビア その2 歯磨き後のうがいはごく簡単
歯磨き後のうがいは、過度に行う必要はありません。うがいをしすぎると歯磨き粉の成分が 口内に残らないため、軽くすすぐ程度が望ましいとされています。
■トリビア その3 うがいの感染症予防効果は限定的?
うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザの 予防に有効かどうかは科学的な根拠が証明されていません。
■トリビア その4 うがい薬、妊婦さんは使用の際に注意
妊娠中の方は、「ポビドンヨード(ヨウ素)」が含まれるうがい薬の使用には注意が必要です。 過剰に摂取すると、甲状腺機能へ悪影響を与える可能性があり、おなかにいる赤ちゃんの 甲状腺機能にも影響する可能性があります。ポビドンヨードが含まれるうがい薬を頻繁に 使用することは、あまりオススメできません。
■トリビア その5 うがいの習慣があるのは日本だけ?
もちろんうがいが習慣になっている国もありますが、例えば、欧米の多くの国では、うがいよりも 手洗いやアルコール消毒などの予防策が重視されることが多いようです。これは文化的な違いや 医療の考え方の違い、または風邪や感染症に対する予防のアプローチが異なるためです。 日本では、古くは平安時代から行われてきたと言われています。
■トリビア その6 お茶を使ったうがいのメリット
緑茶に含まれる「カテキン」は、ポリフェノールの一種で、強い抗菌作用を持っており、 「かぜ症候群」の罹患リスクが低くなることが報告されています。「カテキン」入りの ペットボトル緑茶でOKです。ご家庭でつくる場合、でがらしのものでも十分に効果ありと 言われていますが、長く常温で保存したものは菌が繁殖しやすいため、注意が必要です。
うがいはあくまで「補助的なもの」。口の健康を守るためには、毎日の歯磨きやデンタルフロスが とても大切です。また、定期的に歯医者に行くことも忘れないでください。プロにチェックして もらうことで、早めに問題を見つけられるでしょう。うがいだけに頼らず、日々のケアで 口腔内の健康を維持していきましょう。
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