骨量骨密度は男女ともに20歳前後をピークに、40~50歳頃から減少し始めます。 特に女性は閉経をきっかけに骨量が急激に減少し、50歳以上の女性の24%、80歳以上の 女性の約半数が骨粗しょう症と推測されています。 女性のほうが圧倒的に発症しやすいという印象がありますが、実は男性にも多く、 推計1280万人いる患者さんのうち、約300万人は男性で、全体の4分の1を占めています。 10月20日は「世界骨粗鬆症デー」。この機会に、女性はもちろん、男性も油断できない 骨粗しょう症について、紹介します。
「骨粗しょう症」とは骨密度の低下により骨がスカスカになってしまい、つまずいたり、くしゃみ などのわずかな刺激でも骨折をしやすくなってしまう病気です。 さまざまな要因から、骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨を作る働き)のバランスが 悪くなることで、発症します。骨粗しょう症になりやすい10の要因をリストにしましたので、 確認してみてください。
check 1 喫煙
カルシウムの吸収を阻害し、骨から血液中へのカルシウムの流出を防ぐ女性ホルモンの働きも低下させます。
check 2 多量の飲酒
ビタミンDの活性化が妨げられ、利尿作用もあるので、体内のカルシウムが尿と一緒に流れ出てしまいます。
check 3 低体重
日本肥満学会の定めた基準では、BMI18.5未満が「低体重(やせ)」とされています。
check 4 加齢
骨形成の速度が低下し、食事量や運動量が若い頃より減少することで、骨密度が減少します。
check 5 閉経
骨芽細胞を活発にする働きがある女性ホルモンが減少します。
check 6 ステロイド服薬歴
ステロイドには骨を作る細胞の働きを弱め、カルシウムの吸収を低下させます。
check 7 遺伝
親から骨粗しょう症自体は遺伝しませんが、体の性質や生活習慣が似ているので、発症の確率が上がります。
check 8 過去の骨折
一度背骨や大腿骨(股関節)などを骨折すると、新たな骨折をしやすくなります。
check 9 カルシウム不足
骨の主成分が不足すると、骨粗しょう症を発症しやすくなります。
check 10 運動不足
刺激が与えられないと、骨は弱くなります。
【参照】 公益財団法人 骨粗鬆症財団 https://www.jpof.or.jp/
骨粗しょう症による骨折は、連鎖するということが大きな問題になっています。 一度背骨を骨折すると、次に背骨の骨折を起こす可能性が5倍、太もものつけ根の骨折は 2.5倍にもなります。そのため、骨粗しょう症と診断されたら最初の骨折を起こさないように 治療することが大切です。 家族に高齢者がいる場合、家の中を整理整頓し、つまずきやすいものは片づけておきましょう。 外出時には歩きやすい靴を選び、両手が自由に使えるようにリュックを用意するのも良いでしょう。
骨粗しょう症は運動や食事、生活習慣を見直すことによって予防することができます。 いつまでも強い骨でいるために、自分の生活を一度確認してみましょう。
骨の主成分。乳製品、大豆製品などを積極的に食事に取り入れましょう。
骨力を増やすため。カルシウムと一緒に摂取することで、吸収率が大幅にUP!
粘膜や骨の健康を守る。カルシウムと共に摂るべき非常に大切です。
ジョギングやウォーキング、階段の上り下り。かかと落としやジャンプといった骨に 刺激を与えるような運動を。 ジムなどに行けない人は、「ながら運動」でもOK!電車を一駅前で降りたり、 家事をしながら運動したりするのも良いでしょう。
骨粗しょう症を予防する上で重要なのは、骨が増えていく10代、20代で最大骨量をできるだけ 高め、その後は減少していく量を抑えていくことです。その点では、若い時から対策、予防が できる病気とも言えます。
◼︎10代
最大骨量(骨密度)を増やす大切な次期。
無理なダイエットは厳禁です。
カルシウムを十分に摂り、運動(特にジャンプ)で
骨量を増やしましょう。
◼︎20代~30代
最大骨量に達する20歳前後以降、骨量は横ばいに。
バランスのよい食事と適度な運動。
規則正しい生活を維持しましょう。
◼︎40代~50代
50歳以降、大幅に骨密度が減少していきます。特に女性は注意が必要。
痩せすぎも太り過ぎもNGです。食生活・運動の見直しに加え骨の検査を。
◼︎60代以降
痛みなどの症状がなくても、年々骨量は減少していきます。
転倒予防をしっかりしましょう。骨密度のチェックも忘れずに。
【参照】「骨検」(https://honeken.jp/age/)
骨粗しょう症について学んできましたが、最後に「おさらい」として、公益財団法人 骨粗鬆症財団が提供しているクイズに挑戦しましょう。
問題数は9問。全問正解を目指しましょう。
骨粗鬆症クイズに挑戦!※クリックするとクイズの書かれたページ(PFD)が表示されます。
医療機関での骨粗しょう症検査は、病状によっては保険診療になる場合もあります。 また自治体や人間ドックを受診する際に骨密度検査をオプション(自費)で実施している 医療機関もあります。 詳しくは、お住まいの自治体や受診予定の医療機関に直接お問い合わせください。
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