スマートウォッチといえば、歩数計測、ランニングサポート、通知機能や電子マネー決済など、 そんな機能ばかりと思っていませんか?中には睡眠の質の可視化、ストレスチェック、 カロリー計測や心拍数の計測など、健康管理にも役立つ機能を持つものもあります。 今回は、万能デバイス、スマートウォッチを活用した健康管理法をご紹介します。
スマートウォッチから得られるデータで特に重要なのは、「いつもと違う体の変化」に気づくこと。 普段の自分自身のデータと比較することで、小さな異変にも気づくことができるかもしれません。
① 睡眠時無呼吸症候群
最新のスマートウォッチには、血中酸素飽和濃度(血液によって肺から全身に運ばれる酸素の 割合)を測定する機能を持つものがあります。無呼吸になると、血液中の酸素量が不足した 状態で、酸素を全身に行き渡らせるため、体は血圧を上げたり、心拍数を上げたり、心臓に かなりの負担をかけます。その結果、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことがあります。 スマートウォッチの血中酸素濃度飽和測定機能で、その兆候を捉えられる可能性があります。
② 不整脈
健康な成人であれば、安静時の脈拍数は1分間に約60~100回程度。この回数を大幅に 下回ったり、上回ったりすると、不整脈(心房細動)の疑いがあります。 スマートウォッチの不規則な心拍リズムを通知する機能は、症状の乏しい心房細動も 見逃しにくくなり、また動悸などの不快な症状を自覚した時に心電図を記録することで、 早期発見に役立ちます。
もちろん、スマートウォッチだけでは正確な診断はできません。数値の変化だけで 自己判断せず、異変を感じたら必ず医療機関を受診しましょう。
最近、「スマートウォッチ外来」を設置する医療機関が増えてきています。主に厚生労働省が 家庭用医療機器として認可したスマートウォッチで、心電図や心拍に関わる機能を生かして 診察を行い、不整脈を見つける手助けをしています。
不整脈(心房細動)などの心臓疾患は、自覚症状がない場合もあります。さらに症状に 気づいて病院へ行っても、不整脈を起こしている時でなければ診断が難しいことがあるようです。
動悸などの症状や不規則な心拍リズムの通知があり、すぐに心電図の記録を取ることができる スマートウォッチ。スマートウォッチ外来を受診し、医師に記録を見せることで、早期発見に つながるかもしれません。
スマートウォッチで日頃から記録している健康データは、かかりつけ医への相談の際に役立つ 貴重な情報になります。自身の体の状態を把握し、健康意識を高めるためにも、 スマートウォッチを有効活用していきましょう。
例えば、診察室で「最近の睡眠時間はどれくらいですか?」「最近は運動していますか?」と 聞かれても、正確に答えることは難しいと思います。そこで、日々の測定結果を参考にするのは いかがでしょうか。スマートウォッチの測定結果に正確さを求める方には不向きかも しれませんが、あくまでも健康管理としての目安値として参考になるでしょう。
また、医師に聞きたいこと、相談したいことを事前にまとめておくと、診察時間を有効活用 できます。スマートウォッチのデータで気になる点があれば、あらかじめメモしておきましょう。 医師への質問を事前に準備しておくことで、診察時間がより充実したものになります。
スマートウォッチと医療の関係は、今後さらに深まっていくと考えられています。 例を上げると、イギリスの研究機関が、スマートウォッチ利用者から収集した身体の動きの データを解析し、パーキンソン病を早期発見できる可能性があると報告しています。日本でも、 難病指定とされている炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病)の患者さんの治療のための、 スマートウォッチによる病状モニタリングなどの研究も進められています。 健康管理のために、スマートウォッチを身につけているのが当たり前、そんな時代も来るかも しれません。
スマートウォッチを「健康管理に活用したい」と思ったら、「いつもと違う体の変化」に気づく ためにも、継続すること、記録することが重要です。素材、形(腕時計タイプが苦手な方には リングタイプもあり)など、種類も豊富にあります。
スマートウォッチは機能もさまざま。今回紹介した機能を持たないものもあるのでご注意 ください。使用目的に合った、身につけやすく、操作がしやすい、なるべくストレスにならない ものを選びましょう。
ただ装着しているだけでなく、時には家族や仲間とスマートウォッチで測定データを見ながら あれこれと話すことで、健康に対する意識が少し変わってくるかもしれません。
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