100秒でよめる・できるマガジン

Vol.106

毎日の食事、しっかり噛んでいますか?
健康を支える「刺激唾液」の力

画像:
画像:

皆さんは、1日にどれくらいの唾液が分泌されているかご存じですか?

実は、私たちの口の中では1日に約1~1.5リットルもの唾液がつくられています。唾液は単なる「口の中の水分」ではなく、健康を支えるさまざまな働きを持つ、まさに「天然の健康液」です。

唾液には2種類ある

唾液には、食べ物の消化を助ける、細菌の増殖を抑える、
歯を守るなどの働きがあります。安静時に分泌される「安静時唾液」と、
食事や咀嚼によって分泌される「刺激唾液」の2種類があり、
なかでも「刺激唾液」は、食事と健康を支える重要な役割を担っています。

刺激唾液は食事の際、一気に大量分泌され、1日の唾液量の6~8割を 占めています。特に食後は、口の中が虫歯になりやすい酸性の状態に 傾きますが、刺激唾液には、それを中和する「緩衝(かんしょう)作用」が あり、その働きは安静時唾液の20~30倍ともいわれています。

現代人は「刺激唾液」が不足しやすい

刺激唾液の分泌量は、加齢や生活習慣の影響を大きく受けます。

柔らかい食品の増加や早食いの習慣、噛む回数の減少などの食生活の 変化により、昔の食事に比べると、現代人は噛む回数が大幅に減って いるといわれています。そのため、噛むことで分泌される刺激唾液も、 十分に出にくくなったと考えられているのです。

噛む回数が減ると、あごや口まわりの筋肉を使うことが減少する だけでなく、十分な満腹感を得にくくなり、早食いや食べ過ぎを 招くことも。こうした状態が続くと、噛む力の低下にもつながります。

さらに、パソコンやスマートフォンに集中する際の無意識の緊張や 口呼吸も、刺激唾液が出にくくなる(ドライマウス)大きな要因に なっています。

では、刺激唾液が不足すると、私たちの体にはどんな影響が あるのでしょうか。ます。

① 食べ物が飲み込みにくくなる

食事中に分泌される刺激唾液には、食べ物をまとめて飲み込みやすく する働きがあります。そのため、刺激唾液が減ると特に高齢者では、 むせやすい、飲み込みづらい、のどに残る感じがするといった症状に つながることがあります。

② 消化の効率が下がる

食べたものを消化する作業は、唾液中のアミラーゼによるデンプン 分解からスタートします。最終的には胃や腸で消化されるので大きな 問題にはなりませんが、「消化のスタート」が滞りやすくなります。

③ 口腔環境が悪化しやすい

刺激唾液には、食べかすを洗い流す、酸を中和する(緩衝作用)、 歯の再石灰化を助けるなどの働きもあります。そのため刺激唾液が 少ないと、食後に口の中を健康な状態へ戻す力が弱くなります。

④ 味を感じにくくなる

実は味の成分は「唾液に溶けること」で初めて舌の味覚受容体に 届きます。刺激唾液が不足すると、味を感じにくくなり、 食事のおいしさが損なわれます。

刺激唾液を促す習慣

刺激唾液を増やすためには、食事の際に「しっかり噛むこと」が 何より大切です。今日からできる「食事」と「ケア」の習慣を紹介します。

<食事編>
毎日の食事で「噛む回数」を意識することが、唾液分泌を促す第一歩。 例えば、ごぼう、れんこん、切り干し大根、きのこ類、海藻類など、 自然と噛む回数が増える食材を普段のメニューに取り入れてみましょう。 また、キシリトールガムを噛む習慣をつけることもおすすめです。

<ケア編>
●唾液腺マッサージ
噛むことに加えて、唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)を刺激する マッサージも唾液分泌を促す効果的な方法です。

3つの唾液腺の位置

①耳下腺(じかせん)

  1. 耳の前(上の奥歯あたり)に親指以外の4本の指の腹をあてる
  2. 円を描くように、後ろから前へ10回程度、ぐるぐるとマッサージ

ポイント 力を入れすぎず、やさしくリズミカルに動かしましょう。

耳の前を円を描くように動かす耳下腺マッサージ

②顎下腺(がっかせん)

  1. あごの骨の内側の柔らかい部分(エラの下あたり)に、両手の親指をあてる
  2. 耳の下からあごにかけて、3~5カ所に分けて指で押し動かす(5回程度)

ポイント 親指の腹で、ゆっくり、心地よい程度の圧で行います。

耳の下からあごにかけて親指で押す顎下腺マッサージ

③舌下腺(ぜっかせん)

  1. あごの先端の内側に両手の親指を揃えてあてる
  2. 真上に向かって10回ほどゆっくり押し上げる

ポイント 痛みがない程度の強さで、やさしく刺激しましょう。

あごの先端の内側を親指で押し上げる舌下腺マッサージ

あいうべ体操

口の周りや舌の筋肉を鍛える「あいうべ体操」もおすすめです。
※多くの歯科医院でも口腔機能向上の一環として推奨

効果的なやり方

  • いつでもどこでも、毎日
  • 正しい姿勢で、ゆっくり大げさに
  • 1日3セットが目安(1セット:10回以上/約1分)

効能

  • 舌力の向上
  • 口呼吸から鼻呼吸への転換
  • 唾液分泌の促進
  • ほうれい線の予防 など

まとめ

刺激唾液は、私たちの健康を支えている大切な存在です。 その刺激唾液をしっかり分泌するためにも、 食事は「しっかり噛む」ことを習慣にしましょう。


しっかり噛むことは、口腔環境を整えるだけでなく、 体全体の健康にもつながります。まずは今日の食事から、 「あと5回多く噛む」ことを意識してみましょう。 口と体の健康を守る習慣づくりの第一歩になるかもしれません。

クイズ正解者の中から30名様に抽選で当たる!

今回は
“世界史の食べ歩き方
陶山健人

※対象商品は毎号変わります。

商品をチェックする

※対象書籍は毎号変わります。

画像:ホットコーヒー
食事や咀嚼によって分泌される〇〇唾液。
〇〇に入るのは?
  • ① 活性
  • ② 鼓舞
  • ③ 刺激
注意事項

※クイズの解答の際に、メールアドレスのご入力が必要です。

※けんぽのメルマガの配信されているアドレスをご入力ください。

※メルマガ配信対象外のメールアドレスでの解答をされた場合は無効となります。

※クイズの解答はおひとり1回となります。複数行われた方は一番早い解答を対象といたします。

※博報堂健保加入者以外の方が応募された場合は無効となります。