「夜中に何度もトイレに立ってしまう」
「そのせいで朝までぐっすり眠れない」
そんな悩みはありませんか?
夜中にトイレに行きたくて目が覚める「夜間頻尿」は、年齢とともに 増える身近な症状です。日本人を対象とした調査では、40歳以上の 約7割、若年層でも約2割が夜間に1回以上トイレに起きることが わかっており、多くの方が悩みを抱えています。
ちなみに、大人の夜間頻尿と子どものおねしょ(夜尿症)は似ている ようで異なるものです。子どもの夜尿症は膀胱機能の未発達や 眠りの深さが主な原因ですが、大人の夜間頻尿は、膀胱の機能低下や 夜間に尿が多く作られる状態、睡眠障害など、さまざまな要因が 関係しています。
夜間頻尿とは、「夜寝ている間に排尿のために1回以上起きること」を 指します。それにより生活に支障が出ている場合は、治療や対策の 対象になることがあります。
夜中に何度も目が覚めると、睡眠の質も低下してしまいます。 慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や集中力の低下、疲労感の増加、 ひどい場合は高血圧や糖尿病、うつ病のリスク上昇などにつながる 場合も。
また、高齢者の場合、夜中に暗い室内を移動することで転倒や 骨折のリスクが高まります。東北大学の研究では、70歳以上の方で 夜中に2回以上トイレに起きる人は1回以下の人に比べて 骨折リスクが約2倍、死亡率も高まるという結果も報告されています。
夜間頻尿は、毎日の生活の質だけでなく、健康寿命にも関わる 重要な問題なのです。「歳のせいだから仕方ない」と諦めずに、 対策することが大切です。
夜間頻尿というとひと括りにされがちですが、原因は人それぞれ。
実は原因として最も多いのは、「膀胱のトラブル」ではないことをご存じでしょうか。下のチャートでご自身がどのタイプに当てはまるのか、確認してみましょう。
あなたはどのタイプに当てはまりましたか?
タイプ別の特徴と、今すぐできる対策を見ていきましょう。
【特徴】
膀胱に十分な尿をためられないタイプです。
加齢による影響もありますが、過活動膀胱や前立腺肥大症などが関係します。
【対策】
夜だけでなく昼もトイレが近いなら受診を
もし昼間も頻繁(日中に8~10回以上)にトイレへ行く場合、膀胱の
トラブルが関係している可能性があります。急に我慢できないほどの強い
尿意に襲われる場合は「過活動膀胱」、尿が出るまでに時間がかかる、
または残尿感が残ってしまう場合は「前立腺肥大症」の疑いがあります。
泌尿器科への相談も検討しましょう。
【特徴】
夜につくられる尿の量が多くなるタイプです。
夜間頻尿に悩む方の多くが、この「夜間多尿」に該当するといわれています。
加齢の他、水分・塩分の摂り過ぎや足のむくみなどが関係しています。
【対策】
夕方以降の「飲み方・食べ方」を見直す
・就寝直前の水分の摂り過ぎを避ける
※ただし、極端な水分制限は禁物です。日中にしっかり水分をとりましょう。
・夕食は塩分の多い食事を控える
・アルコールやカフェインは夕方以降控えめにする
足のむくみを改善する 「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎには、水分や血液を心臓へ 押し戻す働きがあります。 日中、足に溜まった水分は夜、横になることで血管に戻り尿として 出してしまうため、夕方のうちにウォーキングや手軽な運動などで ふくらはぎを動かし、寝る前までに尿を出し切っておくことが効果的です。
【特徴】
睡眠の質の低下が関係するタイプです。
実は「尿意で起きる」のではなく、「目が覚めたついでにトイレへ行っている」というケースも少なくありません。ストレスや不安などのメンタル面も影響しています。また睡眠ホルモンの分泌を抑えるブルーライトも大きな原因*となります。
*夜間のブルーライトで体内時計が乱れ、「体がまだ昼間」と錯覚してしまいます。
その結果、尿量を減らす「抗利尿ホルモン」が正常に働かなくなり、夜間頻尿を引き起こす原因といわれています。
【対策】
睡眠の質を意識する
夜間頻尿の背景に睡眠障害があり「眠りが浅い」と感じている方は、
睡眠の質の向上がカギになります。
・日中にウォーキングなどの軽い運動を取り入れる
・脳を覚醒させないように、就寝前の1~2時間前はスマホやテレビ、パソコンなどのブルーライトを発する機器の使用は避ける
まずは今夜から、ぐっすり眠れる習慣・環境づくりを意識してみましょう。
【特徴】
服用中の薬(利尿薬・一部の糖尿病治療薬・ステロイド薬など)が関係しているタイプです。
【対策】
服用中の薬を確認する
原因が服用中の薬にある場合があります。決して自己判断でお薬の使用を止めず、まずは主治医や薬剤師に相談してみましょう。
夜間頻尿の背景には、膀胱のトラブル以外にも、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群、腎臓や心臓の病気などが隠れていることもあります。急に症状が悪化した場合や、血尿、強い痛みなどを伴う場合は、迷わず医療機関へ相談しましょう。
夜間頻尿は加齢だけが原因ではありません。さまざまな要因が関係しているため、まずは「自分がどのタイプなのか」を知り、できることから生活習慣を見直してみることが大切です。 朝までぐっすり眠れる毎日を取り戻しましょう。
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