
使用禁止の国があるほど危険!
トランス脂肪酸
食の近代化によって、我々の食は、より保存が効き、より安価に、よりおいしく進化してきました。
それらと引き換えに塩分や糖分、カロリーの摂取量は増え、食物繊維やビタミンは減りました。
私たちの健康を阻害するのは、増えたもの、減ったものだけではありません。
近代になって現れたものが体に悪影響を及ぼすことがあります。
中でも人体への被害が大きいのはトランス脂肪酸でしょう。トランス脂肪酸は植物油に水素を付加して作られた人工の油で、他の油に比べ仕入れ価格が安く、パンや菓子、揚げ物などをカラッと仕上げたり、酸化を防ぐために使われています。
一方、人体にとってトランス脂肪酸は、新しすぎるせいで上手く材料として使えず、肝臓がパニックを起こしたような状況になってしまいます。
それにより、 LDL悪玉コレステロールを増やすため、HDL善玉コレステロールを減らしたり、心筋梗塞などの冠動脈疾患、肥満、アレルギー性疾患などのリスクが高まります。
更に、近年ではアルツハイマー認知症の原因になるとの報告も多くあります。
2005年のハーバード論文でも摂取量が多い人ほど体内の炎症レベルが高いことが分かっており、
WHOでも、トランス脂肪酸摂取が原因の心血管疾患者の死亡数は毎年50万人を超えると推定しています。
今やトランス脂肪酸の害に反対する専門家はいません。
WHOはトランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするよう勧告をしたため、諸外国では以下のような禁止措置や表示が義務化されています。
- ・トランス脂肪酸の食品への使用を禁止
(アメリカのニューヨーク州、カリフォルニア州、カナダ、台湾、タイ) - ・トランス脂肪酸濃度の上限値を設定したうえ表示を義務化
(EU加盟国、シンガポール) - ・食品中のトランス脂肪酸濃度の表示を義務化(韓国、中国、香港)
- ・マーガリンやショートニング、
それらを使った食品の製造、販売、輸入を禁止(タイ)
しかし日本では、調査で日本人の平均トランス脂肪酸摂取量が0.44~0.47%だったことを理由に、表示義務がありません。
ただし、この調査結果はあくまで全年代の平均値。
ファストフードや惣菜の揚げ物、パンや焼き菓子を食べることが多い人なら1%を超えていてもなんら不思議はないのです。
表示義務のない日本では食品に含まれるトランス脂肪酸量を直接知ることはできないため、食品の購入時や外食時のメニュー選びで注意をしていく必要があります。
● 食品購入時のチェックポイント●
■原材料の表示を確認しましょう。
マーガリン・ファストスプレッド・ショートニング・植物油脂
※トランス脂肪酸が使われている可能性が高い原材料です。
■外食時のチェックポイント
パン、ケーキやドーナツなどの洋菓子、揚げ物を減らす
例)パンをおにぎりやそばに変える
洋菓子を和菓子に変える
揚げ物を焼き物や煮物に変える。
トランス脂肪酸を「ゼロ」にするのは難しいことです。
まずは、原材料名やメニュー選びから始めてみましょう。
本号では摂取をしてはいけない油について紹介をしていきました。
次号では、バランスの良い油の取り方についてご紹介していきます。


