寝ても取れない慢性疲労の原因
「リーキガット(漏れやすい腸)」
「疲れ」と言うと、誰にでも起こる、社会人には仕方のないことと思うかもしれません。
しかし寝ても取れない慢性的な疲労となると話は別。深刻な現象のサインである可能性が高いのです。
ここ数年、腸内細菌の働きやその重要性はメディアでも広く取り上げられ、注目されています。
数ある腸内細菌の働きの中でも、最も大事なのが「外敵との戦い」ですが、人類の暮らしが近代化する中で、このシステムに不調が出てきました。
その根っこにあるのがリーキーガットという症状です。
リーキーガットを直訳すれば「漏れやすい腸」。
正式には「腸管壁浸漏症候群」と呼ばれ、腸の粘膜に傷がついて細胞と細胞の間の結合部が緩み、バリア機能が破れた状態を指します。
ジャンクフードや砂糖の入った食品の摂りすぎ、過食などの消化不良、また痛み止めや抗生物質、ステロイド剤などの医薬品、アルコールやカフェイン、栄養不足や慢性的ストレスなど、日常的な要因がリーキーガットの原因になると言われています。
リーキーガットが起きると、腸の穴から未消化の食物やエンドトキシン(毒素)などの有害物質が血管に侵入します。
これに反応した人体は免疫システムを作動させ、体内のあらゆるエリアに慢性的な炎症を発生させていきます。
2016年コーネル大学の研究チームが慢性疲労症候群に悩む患者の腸内細菌を調べる研究を行った結果、慢性疲労症候群の患者は健康な人に比べて腸内細菌の種類が少なかった上に、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルが高く、リーキーガットの割合も多かったのです。
疲れやすさの他にも、アレルギー症状や不安感、集中力・記憶力の低下、胸焼け、関節痛、生活習慣病など、リーキーガットがあらゆる不調を引き起こすことがわかっています。
とはいえ、リーキーガットはまだまだ新しい考えで、検査方法も確立されていません。
ではリーキーガットが疑われる場合はどうしたらよいでしょうか。
ここでも重要なのは食生活です。
徹底的にリーキーガット対策したいという方は、次のルールに従って30日間過ごすと腸の状態が改善するのを実感できるでしょう。
《完全に取り除く食品》
パン、豆(納豆はOK)、乳製品、砂糖、植物油(コーンオイル、ベジタブルオイル、キャノーラ油、大豆油など)、アルコール、カフェイン、過度の炭水化物(1日糖質100g以上)
《積極的に摂る食品》
アブラナ科の野菜(キャベツ、ブロッコリーなど)、発酵食品、乳酸菌サプリ、水溶性食物繊維、アボカド、ココナッツオイル、エキストラヴァージンオリーブオイル、アマニ油
そこまで徹底的に食生活を変えるのは難しいという方は、ジャンクフードを排除し、野菜を増やすだけでも効果があります。
また、胃酸の分泌量を改善する100%レモンジュースやリンゴ酢を食事の20分前に小さじ2杯飲む、
抗菌作用のあるココナッツオイルを食事に取り入れる、といった方法もおすすめです。
「慢性疲労」というサインを見逃さないよう体の声に耳を傾け、リーキーガットの原因となる習慣を取り除いてあげましょう。