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Vol.15 時計遺伝子をチューニングする方法

時計遺伝子をチューニングする方法


皆さんは「体内時計」と聞いて、どんなイメージを持つでしょう。
体のどこかでチクタク時を刻んでいるイメージが浮かぶ方もいるかもしれません。 実際、脳の視交叉上核には、メインの体内時計があります。そう、メインということは、他にも体内時計があるということなのです。


実は人体のすべての細胞には、時計遺伝子が備わっており、臓器などの組織ごとに体内時計を持っています。 しかも、これらの時計は固有のスケジュールを持ち、独自に時を刻んでいます。
固有のスケジュールを持った器官ごとの「サブ体内時計」が、それぞれ勝手な時を刻んでいたのでは、人体のホメオスターシス(恒常性)が保てません。
朝が来てせっかく目覚めても、肝臓が「うちの時計はまだ夜ですから」となっては困りますよね。
そこで、メインの体内時計である視交叉上核が、サブの体内時計をチューニングして、一斉に朝のスタート地点を決めるようにしているのです。

この朝食の「刺激」は、体内時計のリセット前の断食タイムが長いほどうまくいきます。
つまり、前夜の食事と翌日の食事のインターバルを長くするほど、リセットしやすくなるわけです。そこでオススメしたいのが、毎晩10時間以上の断食タイムです。断食という言葉には思わず引いてしまうかもしれませんが、寝ている間に食べている人はいませんので、毎晩7時間寝ているとしたら、+3時間断食をすればいいわけです。

夜の断食タイムは長いほどいいわけですが、10時間以上の断食タイムを設ければ、夕食に何を食べてもいいというわけではありません。
タンパク質は約4時間、油は9時間ぐらい胃に残るので、例えば焼き肉を食べた場合、全てを消化するには10時間以上必要です。 夜に大量のお肉を食べて寝ると、寝ている間も胃腸が休むことができません。また、GI値が高い(血糖値を上げやすい)食品は、体内時計を動かす力が強いので、夕食よりも朝食に摂って体内時計をスタートさせるといいでしょう。

※GI値とは食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。 GIが高い食品は、一気に血糖値を上昇させるため、血液中の糖を処理するために多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追いつかなくなるということが起こります。GIが低い食品では、糖がおだやかに取り込まれ、血糖値の上昇もゆるやかになるため、インスリンも分泌しすぎることなく、糖はすみやかに組織に吸収されます。

毎晩10時間の断食タイムで体内時計を見方につけ、毎日のリズムを整えることが、心身を整えることに繋がります。
ぜひ今晩から意識してみましょう。

 


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