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Vol.12 「人間ドック特別号 第3弾」

画像検査と放射線被ばく量

監修 関谷 剛先生(医師/産業医/労働衛生コンサルタント)

人間ドックで実施される検査には、放射線を用いて画像を診断する検査があります。
この「放射線」は私たちに何をもたらすのでしょうか?
「放射線=がんになる」というイメージや身体への影響などを心配される方もいるでしょう。
今回は放射線を使った検査の影響や、発がんリスクの低減に本当はなにが必要なのかを紐解いていきます。

医療における放射線利用には、リスク(放射線被ばく)より利益(的確な診断や治療)が多い時のみ使用する<正当化>と、診断に必要な放射線量(多すぎず少なすぎず)を使用する<最適化>という前提があります。
人間ドックでは、身体に影響が出るといわれている放射線量よりもはるかに少ない量で画像検査が行われています。

一方、普段の生活の中にはいろいろな発がんリスクが潜んでいることが判っています。
これはご自分でもコントロールできるものなので、お医者さんに指導された方も多いと思います。
画像検査と放射線の関係を正しく知り、よりカラダが喜ぶ生活習慣についてお伝えします。


放射線を用いる画像検査に関するQ&A

Q.人間ドックの検査って被ばく量はどのくらい?
A. 人間ドック健診では、胸部CT検査がもっとも多く 9.1mSv,
  胃バリウム検査は3mSv,マンモグラフィ検査は2mGy,
  胸部レントゲン検査は0.06mSv,の線量で撮影されます。
  ※1 mSv:ミリシーベルト ※2 mGy:ミリグレイ
  [放射線量の単位: mSvは実効線量、mGyは乳腺線量]

Q.放射線を用いた検査でがんのリスクが増える?
A. 放射線の発がんのリスクは、年間被ばく量が100mSvを超える
  高線領域になると線量に比例して増加するとされていますが、
  画像検査レベルでは、日常生活などのがんリスクと比べて
  非常に小さいと考えられています。

日常生活でのがんリスクには飲酒・喫煙・食生活・ストレスなどがあります。
普段の生活習慣リスクと人間ドックの検査が、どの程度の被ばく線量に相当するのか見ていきましょう。
この図は成人を対象にアンケートを実施した後、10年間の追跡調査を行い、がんの発生率を調べたものです。
アンケート時に「たばこを吸っている」と回答した集団では、10年間でがんになった人の割合が「吸っていない」と答えた集団の1.6倍であることを示しています。

適切な画像検査は、がんリスクの増加分よりも、病気の早期発見や治療効果を確認することのメリットのほうがはるかに大きく、
実は普段の生活習慣の乱れこそががんリスクをあげてしまうことが判ります。


画像検査は組み合わせることで正しい診断、治療評価ができます。
検査に不安がある場合はそのまま受けるのではなく、まずは医師に相談することが大切です。

今年度も人間ドックの結果をしっかりと確認して、カラダを整えていきましょう。



● 知らなくてもいい話 ●

自然界や宇宙からも放射線は降り注いでいて、日本人の被ばく線量は2.1mSv(世界平均は、年間1人2.4mSv)といわれています。成田〜ニューヨークのフライト(往復)で受ける自然放射線被ばく量は0.11〜0.16mSvですので、胸部レントゲン検査より多い線量を受けていることになります。

 

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