
緊張する人必見。
成績が22%上がる感情コントロール法
大勢の前でのスピーチ、重要なプレゼン、うまくいきたいと思えば思うほど、人は緊張してしまうものです。
緊張は私たちにとってストレスであり、鼓動が早くなったり、手が震えるのはストレス反応です。
このストレス、ストレス反応に対して、どんな対処をすれば良いのでしょうか。今日は応急処置効果の高い感情コントロール術をご紹介します。
まず、緊張状態にある時、
私たちの体がどうなっているのか解説しましょう。
私たちは緊張する環境に置かれた時、感情システムが脅威モードに切り替わります。
脳の原始的なエリア(扁桃体)が騒ぎ始め、内分泌系に対策を取るように指示をします。これを受けた内分泌系は、体の各所にシグナルを送り、アドレナリン、コルチゾール、ACTHといったストレスホルモンを吐き出させます。これらのホルモンは、体を
この感情システムは、私たちの体が外部の刺激に態勢を整えただけで、
その反応を「緊張」と「興奮」のどちらに解釈するかは脳の判断に委ねられます。サバンナで猛獣に襲わ
れた時だろうが、美味しそうな獲物を見つけた時だろうが、すぐに行動を起こさねばならない点で、両者に変わりはありません。
ここで対処のシステムを二つに分けていたら、反応のスピードが遅くなるだけでしょう。
この緊張と興奮の別のない感情システムをうまく利用した緊張対策が「リアプレイザル」です。
リアプレイザルは実に簡単な方法です。例えば、スピーチの直前にストレス反応が起き始めたら、
「楽しくなってきたぞ」や「興奮してきたぞ」と自分に言い聞かせるだけです。
ハーバード大学のアリソン・ブルックス氏は、300人を集めた実験で、リアプレイザルの効果を証明しました。
すべての被験者に、「スピーチ」「カラオケ」「数学のテスト」などを指示したところ、自分のストレス反応を、楽しくなってきたとポジティブに解釈したグループは、それぞれ17~22%も成績が良くなったのです。
たとえば、いきなり道端で知らない人に怒鳴られたとしましょう。普通なら「なんだこいつ!」と頭に血がのぼる場面ですが、
一歩引いて「何か悪いことがあったのかもしれない」などと考え直してみるのも「リアルプレイザル」の一種です。
それだけで、ある程度は感情の波もおさまっていくはずです。
さらにリアプレイザルは使えば使うほどあなたをストレスに強くする性質を持っています。
被験者の脳を調べた実験では、嫌な体験をポジティブに解釈しなおした直後から、
扁桃体の活動が低下し、
リアプレイザルが上手くなった被験者ほど、ネガティブな体験に脳がパニックを起こさなくなりました。
つまりリアプレイザルは感情の筋トレとしても使えるわけです。
緊張する場面で冷静な判断をしたい時、
他人のネガティブな感情に飲み込まれそうな時に、ぜひ使ってみてください。
