つまらない仕事を「遊び」に変える
科学的テクニック
文明の発達した現代にはたくさんの刺激がある一方、
『漠然とした不安感』や
『なんとなくつまらない、楽しくない』という現代人特有の 『文明病』を抱えている方も増えています。
解決のためには、それに侵される以前の時代、
狩猟採集民の環境が参考になります。
今日は「ルール設定」をテーマに、
狩猟採集民と現代人の違いや、すぐに使えるテクニックを
ご紹介します。
狩猟採集民と現代人のルールの違い
狩猟採集民は、同じ時間に狩りへ出向き、獲物を仕留め、 仲間たちと分かち合い、あとはみんなと歌って踊る。 彼らの生活ルールはこれだけで、 自分が行うタスクがはっきりしています。 ただし、これは狩猟採集民の遊びが簡単だという意味では ありません。自力で弓矢を作り、 200〜300種類を超える動物の生活パターンを記憶し、 砂や泥に残る痕跡をもとにターゲットの狙いをつける作業は、 いずれも高度な認知機能が必要です。 狩猟採集民の遊びは、チェスや囲碁のように シンプルながらも奥深い構造を持っているのです。 いっぽう現代の生活環境はどうでしょう? 長期にわたってローンの計画を立てたり、 初対面の人に商品を売り込まねばならなかったりと、 ヒトの脳にとって「新しすぎる」タスクを次々と要求されます。 しかも、そのルールは社会システムが変わるごとに変更され、 キャッチアップしていくだけでも一苦労。 ルールが整備されていない遊びほど、プレイヤーのやる気を 削ぐものはありません。
ルール設定は
「イフゼン・プランニング」で
ルール設定においてもっとも効果が高いのは、
「イフゼン(if-then)プランニング」という技法です。
社会心理学の世界で生まれたテクニックで、
「実行意図」と
呼ばれる心理現象をベースにしています。
やり方はシンプルで、
自分が決めたプロジェクトについて、
「もしXが起きたら、 Yをやる」といった形式で
実行のタイミングをルール化しておくだけです。
・6時になったら(X)掃除をする(Y)
・月曜になったら(X)会社の帰りにジムに行く(Y)
このように、達成したいプロジェクト
に対して、「トリガー」になる条件を付けるのが基本です。
その効果は多くの研究で確認されており、禁煙、禁酒、
ダイエットなど、なんらかのゴールを持っている人は
まず試すべきだと言えるでしょう。
「仕事」を「遊び化」するルール設定の方法を取り上げました。
簡単な方法ですが、
仕事以外のことも含むどんな状況にも対応できるでしょう。
ぜひ試してください。