ふと自分の爪を見て、いつもと色や形が違うと感じたことはありませんか?
爪は皮膚の一部が変化したもので、「ケラチン」という硬いたんぱく質でできています。
一枚板のように見えますが、実は三層構造になっていて、簡単に折れたり割れたりはしません。
個人差はありますが、手の爪の場合、1日に0.1mmほど伸びて、生え変わるまでに約5か月かかると言われています。健康的な爪は薄いピンク色をしていて、表面が滑らかです。
また、爪は健康のバロメーターと言われていて、体調不良や栄養不足のときに変化が表れます。
爪の状態は重大な病気のサインとなることもあるため、注意が必要です。
症状を見逃さずに早めに対処するようにしましょう。
例えば、爪を使って隠れ脱水症をセルフチェックすることができます。
手の親指の爪を逆の指でつまみ、つまんだ指を離したとき、白かった爪がピンク色に戻るまで3秒以上かかったら脱水症を起こしている可能性があります。
この他にも爪に起こりやすい症状と対処法をご紹介します。
●縦に割れる(欠ける)「爪甲縦裂症」
爪は、水仕事や除光液の使用による乾燥、加齢に伴うケラチン不足、血行不良などで、もろく割れやすくなります。
応急処置として、医療用テープを細く切り、爪の損傷した部分に押さえつけるように貼ります。
透明のマニュキュアでコーティングするのもおすすめです。
無理に切ったり、はがしたりせず、先端をやすりなどで削りながら、新しい爪が伸びるのを待ちましょう。
●二枚に分かれる「爪甲層状分裂症」
いわゆる「二枚爪」で、爪の一番上の層または二番目の層がはがれた状態。
ぶつけたり、挟んだりなど、主に外的要因によって起こります。
爪が割れた(欠けた)ときと同様の応急処置をします。
●縦線(筋)が目立つ「爪甲縦条」
一般的によくみられる症状で、ストレスや過労、加齢、爪の乾燥などによって起こります。
特に50代頃から症状が目立ちやすくなります。
放置すると爪が割れることがあります。生活の改善、保湿ケアを行うようにします。
●横線(筋)が目立つ
爪に何らかの障害が起こって成長が一時的に抑制されると、横線(筋)が発生することがあります。
横線の幅は障害の期間、深さは障害の強さを示しています。外傷が原因の場合は、外傷を受けた爪のみに生じますが、すべての爪に横線が1本出た場合は「ボー線条」と言い、感染症、糖尿病、出産、亜鉛欠乏症などが原因です。
●表面がデコボコしている「波板状爪」「洗濯板状爪」
表面が波打っているかのようなデコボコの状態。
横方向に溝ができるのが特徴で、とくに親指によくみられます。爪の乾燥や根本に外傷・炎症があると起こります。
また、尖ったものでつついたようなデコボコがある状態「点状陥凹」は、円形脱毛症や皮膚が炎症を起こす乾癬
などに関連して起こることがあります。
●反り返っている「匙状爪」
爪の中央部分が凹んで外側が反り返る状態を「スプーンネイル」とも呼びます。
外的要因(指先に慢性的に強い力がかかっている)、鉄欠乏性貧血などで起こります。
外的要因の場合は爪の保湿ケアで強度を保つ、爪の両サイドを切り過ぎないなどで対処します。
自分で気をつけても、なかなか症状が改善しないことがあります。
特に次のような症状は注意が必要です。
爪を押すと痛いときは、「爪周囲炎」「陥入爪
」「爪下出血」「グロムス腫瘍」の可能性があります。多くの場合、爪に溜まっている血液や膿みを除去すると痛みはなくなります。
自分で除去しようとすると細菌が入り、さらに悪化するケースがあるので、病院で診てもらいましょう。
爪が白色や黄色に濁っているときは、「爪白癬」、いわゆる爪の水虫かもしれません。
日本人の10人に1人がかかると言われています。
足や手指の水虫を放置することで白癬菌が爪にまで広がり、爪が白色や黄色ににごる、ぼろぼろになる、厚くなるといった症状が出ます。
痛みやかゆみがないからといって放っておくと他人にうつしてしまうので、早めに治療してください。
爪の緑色への変色は、「グリーンネイル」と呼ばれています。
ジェルネイルやスカルプチュア(付け爪)が取れかけた隙間に緑膿菌が入り、繁殖することで起こる感染症です。
重度になると爪の色が緑から黒へ変色し、腐敗臭が発生したり、爪が割れ(欠け)たりすることがあります。
爪の紫色への変色は、冷え性などで血行が悪くなると起こります。
夏場でも紫色なら要注意です。
黒くて太い縦線(筋)が出ているのは、爪にできるほくろです。
「爪甲色素線条」という良性のものと、「メラノーマ」という悪性のものがあります。
前者は爪の付け根に色素をつくる細胞が混入することで起き、いったんできると消えることはありません。
後者は「悪性黒色腫」とも呼ばれ、皮膚がんの一種です。黒い変色部位が徐々に大きくなり、まだらな色調になるのが特徴です。
良性か悪性かを見分けるのは難しく、メラノーマを疑う場合は爪の一部を切り取って検査(生検)するしかありません。
上記以外にも気になる症状があったら、できるだけ早く医療機関(皮膚科)を受診するようにしてください。
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