睡眠に問題を抱えている人は意外と多く、
40代以降では3人に1人が何らかの悩みがあると言われています。
中でも「日中眠くなる」「疲れが取れずスッキリしない」という人は、
いびきが原因かもしれません。
いびきは、寝ているときに筋肉がゆるみ、気道が狭くなることで発生します。
肥満気味の人、首が短い人、下あごが小さい人、中高年の人は、いびきをかきやすい傾向があります。いびきをかくと眠りが浅くなり、疲れが取れません。
睡眠不足が続けば脳の働きが鈍くなります。
いびきは、大きく次の2種類に分けられます。
●散発性……
普段はいびきをかかないのに、疲れたとき、お酒を飲んだとき、鼻が詰まっているときなど、
一時的にかくいびき
●習慣性……
寝ているときはいつもかくいびき
怖いのは、習慣性のいびきです。スッキリ目覚めることができ、日中に眠気を感じない「単純いびき」であれば、それほど心配はいりませんが、
「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」を伴ういびきの場合、命に関わる危険性があるので注意が必要です。
SASとは、睡眠中に気道が塞がる、または狭くなることで何度も呼吸が止まる病気です。
医学的には10秒以上呼吸が止まる状態を無呼吸といい、
1時間当たり5回以上の無呼吸がある場合に、SASと診断されます。
成人男性の約3~7%、成人女性の約2~5%にみられ、男性の有病者は40~50歳代が半数以上を占める一方、女性は閉経後に増加します。
何度も呼吸が止まると睡眠の質が低下し、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
また、重症のまま放置しておくと、心臓、脳、血管に負担がかかり、「心筋梗塞」「脳梗塞」「高血圧」「不整脈」などを起こしやすくなります。
まずは、【睡眠時無呼吸症候群チェックリスト】でセルフチェックをしましょう。
【睡眠時無呼吸症候群チェックリスト】
①大きないびきをかいていたと指摘されたことがある
②睡眠中に呼吸が止まっていたと指摘されたことがある
③日中、強い眠気に襲われる(会議中や運転中にうとうとしたことがある)
④しっかり寝ても疲れが取れない、やる気が出ない
⑤若い頃より体重が増えて、顔つきが変わったと言われる
⑥メタボリックシンドロームの傾向がある
⑦夜間にトイレに起きることが多い
チェックリストの①あるいは②に該当する場合、③~⑦のうち2つ以上が該当する場合はSASの可能性があります。
いびきは自覚症状がないため、一人暮らしで自分がいびきをかいているかどうかわからないときは、スマホのボイスレコーダーアプリなどを使って睡眠中に録音するとよいでしょう。
いびきの録音や分析、睡眠環境の改善に活用できるアプリもあるので、使ってみるのも手です。
SASは治療で改善できます。主な治療法としては次に挙げる3つがあります。
●CPAP療法
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸)装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクへ空気を送り込み、気道を広げる治療法です。
高い効果が認められていますが、気道の塞がりを根本から治すものではありません。
CPAP装置は医療機関からレンタルして使用するのが一般的です。
●マウスピース
「スリープスプリント」と呼ばれるマウスピースを装着し、下あごを上あごより前方に出すように固定することで、気道を広く保つ治療法です。
軽症から中等症の場合に用いられます。
●外科的手術
SASの原因がアデノイド(鼻の一番奥にあるリンパ組織のかたまり)
肥大や扁桃肥大の場合に摘出手術を行います。
また、自分自身でできる方法としては、肥満の解消、飲酒・喫煙を控える、うつぶせ寝や横向き寝にしてみる、口呼吸ではなく鼻呼吸をするなどがあります。
上記3つの治療法とあわせて行うことで、SASの改善が期待されます。
いずれにしても、少しでも不安がある場合は早めに医療機関への受診をおすすめします。
SASの診断には専用の装置を用いた検査が必要になります。一般内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、循環器科、睡眠外来がある医療機関のホームページで、検査ができるかどうかを確認してから受診するとよいでしょう。
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