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vol.29

スポーツ界では常識? 熱中症対策に『アイススラリー』


スポーツ界では常識?
熱中症対策に『アイススラリー』

元気に夏を過ごすために熱中症対策は欠かせないものです。
みなさんはどんな対策をしていますか。
日傘・帽子、扇子やミニファンなど、体の外側から熱中症対策をとられる方が多いかと思いますが、体の内側からの対策も重要です。
今回は、体を内側からクールダウンさせる方法として近年注目されている『アイススラリー』という飲み物をご紹介します。

アイススラリー』とは、「ice(氷)」と「slurry(泥漿、ドロッとした混合液)」という2つの英単語からなる言葉です。
微細な氷と液体から作られるシャーベット状の飲み物で、マイナス1℃という低温のため、
よく「飲める氷」や「液状の氷」などと表現されます。

『アイススラリー』の効能は、2つあります。


・深部体温の上昇を防ぐ
・上昇してしまった深部体温を短時間で効率よく下げる


深部体温とは、脳や臓器など体の内部の温度のことを指します。
内臓の働きを守るために、深部体温は外側からの影響を受けづらいと言われていますが、
高温多湿な環境や運動により深部体温が上昇することがあります。
元々外側からの影響を受けづらいため、一度深部体温が上がると外側から冷やしても、
すぐには熱を逃がすことができず熱中症の危険性が増してしまうのです。

そのため、熱中症の予防には体の中から冷やすこと、深部体温の上昇を防止することが大切になってきます。
その手段として注目されているのが、『アイススラリー』なのです。

ポイントは氷にあります。氷には溶ける際に熱を吸収するという効果があります。

そして、氷と身体が接する表面積が大きいほどその効果は高くなり、
氷の粒子が小さいほどその表面積は大きくなります。
『アイススラリー』は、細かく砕いた微細な氷と液体で作られる飲み物です。
この微細な氷のおかげで、水やクラッシュアイスなどよりも さらに短時間で深部体温を下げられるため、熱中症対策としてとても有効とされています。

おススメのタイミング

『アイススラリー』を飲むタイミングとしておススメなのは、運動前です。
炎天下では運動前に飲んでおくことで、深部体温の上昇を抑えられ、熱中症予防に効果的です。
国立スポーツ科学センターの研究結果では、
体重1㎏当たりで約7.5g程度、体重60㎏の人で450g位(500mlペットボトル1本弱)を
こまめに摂取すると十分な深部体温の低下が認められています。
もちろん、体の中を直接冷やすため、
飲みすぎると内臓が冷えすぎて消化活動に支障が出てくるため、飲み過ぎにも注意が必要です。


『アイススラリー』の作り方

夏の時期になると、スポーツ飲料やエナジードリンクなどで作った『アイススラリー』が
コンビニや薬局などで販売されるようになりますが、実は自宅でも簡単につくれます。


スポーツ飲料の糖度によっては、割合を調整すると良いでしょう。
※ミキサーがない場合は、フリーザーバックに氷を入れて棒などで細かく砕いてもOK


今年の夏は『アイススラリー』と一緒に、海水浴やBBQ、キャンプにスポーツなどを存分に楽しみましょう!



スポーツドリンクで作ったアイススラリー

参考文献:
「競技者のための暑熱対策ガイドブック(実践編)」
独立行政法人日本スポーツ振興センター/
ハイパフォーマンススポーツセンター/国立スポーツ科学センター(JISS)

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今回は
“言葉のアップデート術”
小竹海広 著

※対象書籍は毎号変わります。

次のうち水分補給に適さないのはどれでしょう?
  • ① そば茶
  • ② 緑茶
  • ③ 麦茶
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