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結果からわかること
結果からわかること

※2023年度の人間ドックは終了いたしました。2024年度の人間ドック予約開始は2024年12月以降になります。

  検査項目 博報堂参考値
(基準値)
検査の目的・わかること
血圧測定 収縮期血圧 130mmHg未満 血圧は、心臓から全身に血液が送り出されるときに血管に加わる圧力のことです。
測定によって高血圧、低血圧を判断します。気候、食事、運動、緊張などにより、また1日のうちでも変動します。
血圧が高い状態が続くと、動脈硬化が進み、虚血性心疾患、脳卒中、腎臓病などの生活習慣病が起こりやすくなります。継続して高い場合は検査や治療が必要です。
拡張期血圧 85mmHg未満
尿・便検査 尿糖 (-)
(±)
血糖値が一定の値を超えると、腎臓での再吸収が限界を超え、尿に糖が出ます。
糖尿病のスクリーニング検査として行われ、陽性の場合、空腹時血糖検査や糖負荷試験などの検査が必要です。
尿たんぱく (-)
(±)
尿中のたんぱくを調べる検査です。
陽性の場合は、腎炎、ネフローゼ症候群、尿路感染症などが疑われます。ただし健康な人でも、激しい運動、疲労、発熱、起立性たんぱく尿などで一時的に陽性になることがあります。
尿潜血反応 (-)
(±)
尿中に赤血球が混入していないかを調べる検査です。
陽性の場合、腎炎や腎腫瘍(しゅよう)のほか、尿管・膀胱(ぼうこう)・前立腺の炎症や出血、尿路結石などが疑われます。ただし健康な人でも、疲労や無症候性血尿(多くは経過観察で済む)などで陽性になることがあります。
便潜血反応
(2日法)
2日とも陰性(-) 大腸ポリープや大腸がんのスクリーニング検査として行われています。
消化管から出血していると陽性(+)になり、消化管の腫瘍、ポリープ、憩室(けいしつ:消化管内にできた袋)、がんなどが疑われます。
2日分のうち1つでも陽性の場合は、大腸内視鏡検査などでどこから出血しているか調べる必要があります。
血球検査 赤血球数
(RBC)
男性:438 ~ 577 万/μl
女性:376 ~ 516 万/μl
赤血球は酸素を肺から各組織へ運ぶ働きをしています。 これらは主に貧血の有無を調べる検査で、貧血になるといずれも数値が低下します。
貧血には女性に多い鉄欠乏性貧血のほかに、消化管出血などによる慢性貧血、ビタミンB12・葉酸の不足によるもの、骨髄に異常があるもの、免疫の関与によるものなどがあります。
白血球数や血小板数の変化もある場合は、原因を明らかにすることが大切です。鉄欠乏性貧血の場合は食生活の改善が必要です。
ヘマトクリット値
(Ht)
男性:40.4 ~ 51.9%
女性:34.3 ~ 45.2%
ヘマトクリット値とは、血液中に占める赤血球の割合のことです。
血色素
(ヘモグロビン/Hb)
男性:13.6 ~ 18.3 g/dl
女性:11.2 ~ 15.2 g/dl
血色素(ヘモグロビン)は、赤血球に含まれるたんぱく質と鉄からつくられたもので、酸素を運ぶ働きをしています。
白血球数
(WBC)
3500 ~ 9700/μl 白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスなどを撃退する働きをもっています。
白血球数の増減を調べることで、感染症や免疫低下の有無を判断します。炎症、感染症、アレルギーなどで増加しますが、喫煙、食事、激しい運動、ストレスなどでも数値は上昇します。
年齢や体質による影響もありますが、極端に増加または減少した場合は精密検査が必要です。
血小板数
(PLT)
14 万 ~ 37.9 万/μl 血液を固める作用をもつ血球成分で、少ない場合は出血傾向となり、多すぎると血栓ができやすくなります。
肝機能検査 AST (GOT) ~ 40U/l 身体の重要な構成要素で、アミノ酸をつくる酵素です。
AST(GOT)は主に肝臓、心筋、骨格筋、腎臓の細胞に多く、ALT(GPT)は特に肝臓に多く含まれています。
AST、ALT が高値の場合、肝機能障害(肝炎、肝硬変、脂肪肝など)、心筋梗塞、筋肉の疾患(筋ジストロフィー、筋無力症など)、溶血性疾患などが疑われます。また、飲酒、運動、肥満、薬剤、外傷などでも上昇します。
ALT (GPT) ~ 45U/l
γ-GT
(γ-GTP)
~ 79U/l 特にアルコールに反応するため、アルコール性肝炎の診断に役立ちます。
高値の場合の多くはアルコール摂取によるものですが、薬剤による肝機能障害や肥満による脂肪肝、胆道閉塞などでも上昇します。
ALP ~ 338U/l ALP は胆汁中に排せつされるため、特に胆汁の流れが悪くなると高値を示します。
肝機能障害(肝炎、肝硬変など)や胆道の疾患(胆管結石など)、骨の疾患などの異常を知ることができます。ただし、高脂肪食、血液型、薬剤などの影響を受けやすいので、他の検査とあわせて診断する必要があります。
HCV 抗体 陰性(-) C 型肝炎ウイルスに感染しているか調べる検査です。
C 型肝炎ウイルスに感染すると慢性肝炎に移行する可能性が60~80%となり、その後肝硬変に進行し、肝がんを発症する可能性が高いといわれています。
陽性の場合、過去にC 型肝炎に感染したことがある、または現在も持続して感染していることを示します。精密検査と経過観察が必要です。
HBs 抗原 陰性(-) B 型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査です。
陽性の場合、現在B 型肝炎ウイルスに感染していることを示します。さらに詳しい検査を行う必要があります。
脂質代謝検査 総コレステロール
(TC)
150 ~ 219mg/dl 脂質の一種で、血管壁や細胞膜、ホルモンの材料になるなど重要な働きをしていますが、多すぎると動脈硬化の原因になります。 LDL コレステロールや中性脂肪の増加、HDL コレステロールの減少などの脂質異常は、高脂肪食のとりすぎ、飲酒、運動不足などが原因のことが多いため、生活習慣の改善が重要です。そのほかの原因としては、加齢や体質、閉経後の女性ホルモンの低下などもあげられます。
中性脂肪
(TG)
50 ~ 149mg/dl コレステロールと並ぶ脂質成分で、組織の維持や活動のためのエネルギー源として利用されますが、多すぎると動脈硬化や糖尿病の原因になります。
HDL コレステロール 40 ~ 80mg/dl HDLは末梢組織のコレステロールを回収して肝臓に運び、動脈硬化を予防します。このことからHDLコレステロールは「善玉コレステロール」といわれています。
LDL コレステロール 70 ~ 139mg/dl LDLはコレステロールを末梢組織に運び、過剰になると動脈硬化を促進します。このことからLDLコレステロールは「悪玉コレステロール」といわれています。
血糖検査 空腹時血糖
(FPG)
70 ~ 99mg/dl 血糖とは血液中のブドウ糖のことで、体温の維持や運動など生命を維持するためのエネルギー源です。
インスリンの働きで一定に保たれていますが、その働きが不十分になると血糖値が上昇し糖尿病になります。
血糖値が高い状態が続くと、失明の危険性がある糖尿病網膜症や腎不全の原因となる糖尿病腎症、脳卒中、心筋梗塞、感染症、壊死(えし)などの合併症を引き起こします。多くの糖尿病は遺伝的要素に肥満、過食、ストレス、運動不足などが加わり発症しますので、生活習慣の改善が必要です。
HbA1c
(ヘモグロビンA1C)
4.6 ~ 5.5% HbA1c は、赤血球中でヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、赤血球の寿命の間は血液中に存在します。この検査により、過去1、2 か月の血糖の状態を判断することができます。空腹時血糖値とあわせて糖尿病の診断基準として重要な検査です。
腎臓機能検査 尿素窒素
(BUN)
8 ~ 20mg/dl 尿素窒素、クレアチニンともに、体内でたんぱく質がエネルギーとして利用された後にできるゴミのようなものです。通常は、腎臓の糸球体というところでろ過されて尿中に排せつされますが、排せつ機能が低下すると血液中の濃度が高くなります。
特にクレアチニンは腎臓以外の臓器の影響を受けにくく、血液中のクレアチニン(血清クレアチニン)が増加する程度によって、腎障害の程度が判断できます。
クレアチニン
(Cr)
男性:0.65 ~ 1.09mg/dl
女性:0.46 ~ 0.82mg/dl
膵(すい)機能検査 血清アミラーゼ
(AMY)
39 ~ 134U/l アミラーゼは、膵臓や唾液(だえき)腺に多く含まれる糖類を分解する消化酵素です。
膵臓は異常を発見しにくい臓器のため、膵機能を知るために欠かせない検査です。
膵臓疾患のほか、耳下腺炎などでも増加します。また、やせ型の人の場合や、病気やダイエットなどで体重が減った場合に上昇することがあります。
炎症反応検査 CRP
(C 反応性たんぱく)
0.3以下 C 反応性たんぱくは、炎症に対して敏感に反応するたんぱく質です。
炎症性疾患や組織破壊のある病気の場合、かぜやけがなどでも上昇しますが、どこに炎症があるかは特定できません。異常がある場合は精密検査が必要です。
尿酸検査 尿酸 (UA) 3.6 ~ 7.0mg/dl 尿酸は尿として排せつされますが、過剰につくられたり、排せつ量が低下したりした場合に血液中に増加し、痛風の原因になります。
尿酸値が高い状態が続くと、血液中のナトリウムと結び付いて結晶化した尿酸塩が手足の指の関節などにたまり、激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こします。
食べすぎ、肥満、飲酒、ストレスが原因のことが多く、生活習慣の改善が必要です。
泌尿器検査 PSA ~ 4.0ng/ml 前立腺でつくられる糖たんぱくの一種で、前立腺疾患により増加します。前立腺がんの腫瘍(しゅよう)マーカーでもあります。